契約書とAI
行政書士に相談が来る業務の一つとして、「契約書チェック」というものがあります。顧問弁護士を付けているような規模の企業であれば通常は顧問弁護士が行っていると思いますが、そうでない企業の場合、比較的安価で対応してもらえるということで行政書士に依頼するケースが多いようです。
行政書士の法定業務の一つに、行政書士が作成することができる書類(契約書も含まれます)作成についての相談業務というのがあるため、作成の余地があるのであれば合法的に行える業務です。
一昔前までは、相手方から送られてきた契約書に不安があるので見て欲しいといった顧問先からの依頼が多かったのですが、ここ数年様相が変わってきました。スポットで問い合わせがきて、AIが作成した契約書をチェックして欲しいといった依頼が急激に増えているのです。
以前も、いろいろ雛型を参考にしながら自分で作成してみた契約書を見て欲しいという依頼は時々あり、大抵パッと見ただけで修正点(私文書なのに強制執行認諾文言が付いていたり…)が多すぎてこちらで一から作成したほうがお安くなりますというケースが多かったのですが、最近のAIが作成した契約書はパッと見ただけではほぼ完璧なので、それが通用しなくなっています。
お客様からしたら、AI作成の契約書でトラブルが起こったら自己責任だけど、専門家の目を通しておけば多少の手数料だけで責任を転嫁できるといったメリットがあるのだと思います。
しかし、我々からしてみたら、自分で作成できる訳ではなく、突っ込みどころが極めて少ない契約書チェックというのは、高度な法律判断が必要なことが多くなってくるので、もはや行政書士業務の枠ではなく、それができる弁護士も喜んで引き受けるような業務ではなくなってきていると思います。つまり、AIを使うのなら自己責任が原則だと思うのです。
私のところに問い合わせをしてくる人は、基本的に保育関係の方ばかりなので、できるだけお力になりたいのですが、AI作成の契約書チェックというのは上記の問題がありますので、できれば喜んで全責任を負える作成自体の依頼をいただけるとありがたいものです。
特定行政書士 寺島朋弥

03-5948-4231