カスタマーハラスメント|ブログ

特定行政書士|寺島朋弥

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寺島行政書士事務所ブログ

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カスタマーハラスメント

最近、顧問先だけでなく新規も含めて保育園からカスタマーハラスメントの相談を受けることが多くなってきました。

保育園においては今に始まったことではなく、学校と同じくいわゆるモンスターペアレンツ(モンペ)として以前からあるにはありました。私自身も、あちこちの園の第三者委員として、この10年間で多くの保護者さんの対応をしているので、その辺りは実感として持っています。

昨今、社会的にカスタマーハラスメントがクローズアップされ、自治体によっては関係条例が定められたりしていますし、顧客と直に接するスタッフは、名札に本名をそのまま書かない等の対応が増えています。保育園においても、以前は当たり前のように玄関に掲示されていた、先生たちの顔写真と名前も今はどんどん廃止している園が増えています。

相談が増えているのは、もちろんこういった社会的な動きの影響もあると思いますが、具体的にお話を聞いてみると、普通に器物損壊や脅迫に該当し得るような状況も散見され(実際に映像・音声で確認したこともあります)、以前より深刻なケースが増えていることも理由の一つだと思っています。

保育園の直接の所轄庁である市区町村に相談しても、以前は「福祉なのだからできるだけ保護者に寄りそって傾聴するように」といった指導(おそらく公務員としてのマニュアル)をされることが多かったのですが、最近は「警察に通報してください」と簡単に回答することも多くなってきました。関わり合いたくないというのも本音の一つかもしれませんが(とはいえ大抵その後その保護者が保育課に行ってますます大変なことになってるようですが)、福祉でも悪質なケースには毅然とした対応をという流れになっているのは、事業者・職員としてはいいことだなと思っています。

保育士さんたちも人間です。それぞれ家族があり、誰かの愛おしい子であったり、子を守っている親であったりします。保育の改善のために意見をするのは大事なことだと思いますが、ちょっと想像力を働かせて、お互いを尊重し合いながら建設的に話し合いをすることができたらいいですね。

特定行政書士 寺島朋弥

行政書士としての対応について

この記事を書くにあたって恐れていることは、カスハラ対応についての相談がますます増えてしまうことです。なぜなら行政書士としてできることは限られており、園に代わって保護者と交渉などといったことは法律の制限がありできません。さらに苦情解決第三者委員でもない場合、せいぜい証拠の残し方や警察への効果的な通報(告訴)の仕方の助言程度のことしかできませんので、代わりに対応といったことをご希望でしたら最初から弁護士に相談されることを強くおすすします。

2025年12月2日

学校法人幼稚園の役員変更

ここ数か月、各地の学校法人幼稚園から役員変更届に関するお問い合わせをいただいております。

学校法人は今年4月に寄附行為が全面改定され、多くの法人は5月ないし6月の定時評議員会終結時に新体制(同一メンバーでも任期リセット)になっていることと思います。ところが、その際に法令や寄附行為に則った手続きがしっかりできていない等により、曖昧な状態になっていて、役員等変更届(理事長の登記完了届含む)が出せていなくて、秋頃の調査書の段階で行政から突かれて慌てて対応しているというケースが多いようです。

お問い合わせをいただく際にご注意いただきたいのは、「役員選任の会議をやっていない」と明言した上で、当時の議事録を作って欲しいと言われても対応はできません。行政書士は事実証明文書を作るも業務の一つですが、事実がないことを知ったうえで書類だけ作るというのは偽造になる恐れがあるためです。ただし、決算承認時期に一連の会議はやってはいるけど、現行法や現行寄附行為に則った形式の議事録を作成していないということであれば、当時の会議録に則って、有効な議事録を作成することは可能です。

また、実際にやっていないという場合は、所轄庁に事情を説明したうえで、指示をあおぐしかないかと思います。多くの場合、これから手続きを行い、遅延理由書等を添付したうえで届出を行うことになろうかと思いますが、その際に行政との連絡を代理することは可能です。

なお、従前は理事長が園長の場合は、任期の概念がないことから、重任登記をすることはありませんでしたが、今年度からは園長理事長であっても任期がありますので、重任する場合でもその都度登記が必要になります。登記が遅れた場合、理事長先生個人に対して過料のペナルティがあるようです。(聞いたところによると1年未満でも3万円程度科されるとか。)とはいえ、登記まわりは司法書士の業務(都道府県の学事課等への登記完了届は行政書士)ですので、理事長重任登記まわりの具体的な相談は司法書士に行っていただくことになります。(協力関係のある司法書士を紹介可能)

いずれにしても今回の私学法改正は、だいぶ厳しくなり、社会福祉法人の厳しさに近づいていますので、監査もそれなりに厳しくなることが予想されます。また、登記懈怠の過料のことを考えても、早めに対応するに越したことはありませんので、お困りの場合はお早めにご相談ください。

特定行政書士 寺島朋弥

相談料について

お電話やメールであっても、任期の考え方や議事録の記載事項といった個別具体的な質問への対応は有料相談扱いとなりますのでご了承ください。

2025年11月21日

インフルエンザと保育園

インフルエンザが猛威を振るい始めていますね。顧問先の園でも次々と報告が出てきています。

特に保育園は幼稚園と違って学級閉鎖という概念がないため、どんなに子ども同士の園内感染が広がっていても、職員の確保ができる以上、閉める訳にはいきません。そして、保育職員も生身の人間ですから、マスク等でいくら気を付けていても、確実に感染を防ぐことはできません。(そもそも保育の基本はスキンシップですから・・・!)特に配置基準に係る保育士が次々と感染すると、保育の継続は事実上困難になり、休園ということになってしまいますが、そうなった場合の社会的影響は計り知れません。園児の保護者さんが両親ともにエッセンシャルワーカーということはざらにありますから。

保育園の立場として一番困る具体例は、明確な発熱はないけど体調が悪い子を無理やり登園させて、実はその子が何らかの感染症に感染していて、園内で流行してしまうケースです。

私も今年3月まではプライベートでも保育園にお世話になっていたので、保護者の気持ちも分からなくはないのですが、その行動が「保育園や社会に多大な迷惑をかけてしまい、何より多くのおともだちを苦しめるきっかけになってしまうかもしれない」ということを考えていただきたいなと思います。

毎週のようにどこかの園を訪問している私自身も他人事ではないので、特に冬場は体調管理と感染対策は十分行っていきたいと思います。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年11月11日

行政書士法違反について

日本行政書士会連合会会長から以下のような談話が公表されました。

【会長談話】行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について | 日本行政書士会連合会

行政書士・行政書士法人以外が官公署に提出する書類作成を行った場合の罰則等を明確化した今年の法改正部分に関する談話です。

例えば私が関与する案件でよく見受けられるのが「申請サポート料」です。これだけだと立件は難しいと思われますが、元々付いていたコンサルタントの案件が頓挫したあとに、リカバリーしてほしいと依頼が来ることも多く、その際に元のコンサルタントの見積書や請求書とともに、「コンサルタントが作成してくれた」という申請書類一式を持ち込んでくるお客様がほとんどです。

名目をぼかして「書類作成をしていない」と言い張れば行政書士法違反の立証は困難と思っているのかもしれませんが、お客様にとっては対価を支払って購入したものという認識ですし、何としてもリカバリーして欲しいという気持ちから、上記のように後任者に提供してくれたりするものなので、コンサルタントの方は、行政書士法違反にはくれぐれもご注意ください。

なお、殊に幼稚園・保育園・認定こども園分野に関しては、対応する行政書士が異常に少ないという現実もあり、書類作成を除く純粋なコンサルティング部分については私も大変助かっているのも事実です。本来は行政書士がしっかり行うべきなのは言うまでもありませんが、そう簡単に増えるものでもないので、子どもたちの未来を思うコンサルタント業者とは、同志として共存関係を作っていけたらと考えています。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年11月4日

非弁とモームリ騒動

退職代行業者モームリに非弁疑いで家宅捜索が入ったとニュースになっていますが、退職代行が流行りだした数年前から、サービスの内容を聞く限りそのうちこういうことになるだろうなとは思っていました。

非弁というのは非弁護士のことですが、弁護士法違反という意味では大きく分けて非弁行為と非弁提携があり、今回の事件は主に後者のようですが、一部前者に関わる証言も報道されているようでした。

ちなみに、非弁提携とは、弁護士と提携し、事件を弁護士に紹介する代わりにキックバックを得るという行為のことで、困っている人に知人の弁護士を紹介するだけであれば問題ありません。我々のような弁護士以外の士業は、大抵信頼関係のある弁護士の知人がいるもので、自分のお客様が法律トラブルに巻き込まれたときに、信頼できる弁護士を紹介をする(当然紹介料等の授受は一切無く、その後事件に関与することも無し)ということはよくあるもので、そういったことを禁止している訳ではありません。問題となるのは紹介による見返りがあることで、弁護士側も犯罪に当たるのが通常です。(実際今回も弁護士事務所も捜査されているようです。)

もう一つの非弁行為というのは、弁護士以外が(事件性のある)法律事務を扱うことです。事件性云々は大事なポイントなのですが、諸説あるためここではあえて論じません。要するに素人が法律事務を行うことは違法行為ということです。

モームリ社の言い分は「退職意思の通知しかしてないので非弁ではない」ということのようですが、退職意思の通知は、労働契約の解除通知という立派な法律行為です。法律行為を人の代わりに行うことは、「代行」ではなくもはや「代理」にあたり、他人の法律事務を扱っている事実があることになります。(非弁ではないという主張は、事件性必要説に立っての主張と思われますが、先ほどと同様ここでは論じません。)

ちなみに行政書士をはじめ、いわゆる士業の業務はほとんどが法律事務です。例えば行政書士であれば、許認可申請の代理は立派な法律事務ですし、特定行政書士が行う行政不服申立ては行政機関と争うという、事件性のある法律事務ですが、弁護士法の中で「他の法律で認められてるならやってもいい」という部分があるからできていることです。

要するに国家資格等、法律の後ろ盾があれば、慎重にその範囲内で業務を行えば問題ないのですが、この論点だけでも無資格の一般事業者が法律に関わる仕事をするのは大きなリスクがあることが分かると思います。

とはいえ、ブラック企業でギリギリの生活で働かされている若者が、弁護士にアクセスするのは容易ではないことも事実で、その意味では社会全体の問題とも言える側面はあると思います。一般市民が法律サービス(弁護士だけでなく他の士業も含めて)に気軽にアクセスできる仕組みを整えることも社会の責務だと思うので、無料相談会の相談員といった会の仕事もできるだけ関わらないといけないのだろうななんて思ったりしています。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年10月23日

年収の壁

毎年この時期になると、複数のお客様のところで問題になるのが、パート保育士さんの年収の壁について。これは私が保育園との付き合いが多いからパート保育士というだけで、おそらくスーパーであったり、清掃であったり、配達員であったり、主にパート女性の力で成り立っている業界共通の課題だと思います。

どういうことかと言いますと、年末調整が始まるのに合わせて、今年の年収が概ね把握できてきて、配偶者の扶養のままでいられるかどうか確認する時期となり、超えそうな場合は11月のシフトを減らして12月の収入をわざと減らすことで年収を調整したいと会社に相談することが増える時期なのです。

保育園特有の常勤換算や補助金、シフトに関わる論点についてはここでは論じませんが、単純に突然人手が減ることになるので、シフトを組む人にとっては毎年の悩みの種だったりするのです。しかも、1か月そこらの話なので、そのための補充もないのでなおさら…。

毎年生の声を聞いていますが、政府や多くのメディアがやるべきだと言っている「年収の壁を上げる」ことは万能ではないと思っています。というのは、配偶者が健康保険組合があるような大企業の従業員である場合、中小企業の協会けんぽよりも(扶養を継続するための)厳しい要件を課している場合もありますし、社保(扶養)脱退と同時に会社が独自に支給している配偶者手当がなくなることが大きなダメージという場合もあるからです。

実際、この問題になるケースは、多くが配偶者が大企業の従業員だったりしますので、政府として「年収の壁を上げる」のであれば、全ての大企業が揃わないと意味がないと思います。

更に言えば、「年収の壁を上げる」ということは「扶養でいられる幅を広げる」ことに他なりません。配偶者の片方(しかも多くが女性)が家事を中心に担いつつパートで家計を補助することが前提となっている扶養という考え方そのものを、政府だけでなく大企業を中心とした社会全体で見直す時期なのではないかと個人的には思っています。

さて、こんなことを書いていると、うちのスタッフの年末調整の準備が全くできていないことを思い出したので、この辺りで切り上げます。(苦笑)

特定行政書士 寺島朋弥

2025年10月17日

新設案件の営業エリアについて

保育園等の新規開設案件(新築だけでなく内装のみも含む)は、原則として東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に限らせていただいております。

弊所は代理権によって対行政機関の連絡系統を一本化し、お客様の負担を極力減らしつつ、行政の円滑実施に寄与するスタイルです。1~3年ほどかかる新規開設案件では、途中で想定していなかった様々な難題が発生し、その都度関係者による顔を突き合わせての協議で何とかクリアしていくという事態が繰り返されるのが通常です。

その際、遠方になると移動・宿泊にかかる経費を都度負担していただくことになり、結果的にお客様の負担が当初の見積り時から大きく膨らんでしまうことになってしまいます。また、私の体も一つしかないので、移動による時間のロスが多いと、他の業務に支障をきたす場合もございます。

したがいまして、新規開設案件は、上記4都県以外はお受けしておりませんので、ご理解いただけますと幸いです。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年10月8日

現場主義

当事務所の顧問契約は複数パターンありますが、行政指導監査の立会いを含むほどの手厚いケースだと、毎月1回以上の園訪問が含まれています。

これは7年以上続けていることです。もちろん、お忙しい園長先生からのご相談に直接応じるというのも理由の一つですが、それだけならオンラインでも可能です。なぜコロナ禍中も含めて、毎月訪問サービスを継続しているのかというと、「現場でしか分からないことが多いから」に尽きます。

毎月顔を出していると、職員さんとも顔なじみになり、何かあったとき(事故や苦情等)の対応もやりやすいですし、園内研修などもスムーズに行えたりします。そういった形で徐々に信頼関係を作っていけたら、不利な情報も包み隠さず提供してくれるようになり、行政対応にも活かせるようになるのです。(行政からも普段の園内の状況を細かく知っていることを驚かれることもあります。)

現場にこだわると移動時間などのロスが発生するのは避けられず、「効率」を最優先で考えるとどうしても無駄が多いようにも思われがちです。しかし、現場でしか得られないことも確かに存在するので(詳しくは書けませんが虐待事案の把握に役立ったこともあります)、体が動くうちは、お客様に求められる限り現場主義を徹底していきたいと思います。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年9月19日

地方行政の問題

幼児教育・保育分野を取り扱う行政書士が少ないせいもあり、地方の保育行政に関わる案件の場合、びっくりするような事態に遭遇することが多いものです。

まず、行政書士の存在すら知らなかったり、民法上の「代理」の概念すら正確に理解していない役人が多いのはまぁまぁよくあることなので驚きませんが、中には行政作用(行政行為)の概念から丁寧に教えてあげないと話が進まないなんてことも。そういったところは、当然のことながら、保育制度の複雑な法体系など理解どころか知らないケースすら現実にあるのです。

では彼らはどのように仕事を進めているかというと、要綱とったいわば行政内部のマニュアルの通りに事務手続きを進めているだけだったりします。首都圏では、こういった要綱までデータベース化されてインターネットで公開されたりしていることもあり、かなり精度の高い規程になっているのが普通ですが、先に挙げたような自治体ではこれもまたお粗末で…。具体例は挙げませんが、びっくりするような誤りや、いかようにも解釈できるとんでもない条文も散見されたりします。

これが普段行政書士といった民間の専門家が関わってくることのない地方行政(保育といった特定分野だけの話と信じたいですが)の現実です。

同業者から行政作用だの不服審査関係だの、受験生並みによく覚えてますねと関心されることもありますが、こういった地方行政を相手にしていると普段から活用しまくる必要があるので、忘れるどころか日々アップデートが必要になる訳です。

誤解しないでいただきたいのは、私は別に地方行政全体をバカにしている訳ではなく、地方でもとても有能な担当者がいらっしゃり、気持ちよく仕事を進めることができることもあります。逆に東京23区内でとんでもない担当者がいらっしゃることも…。(苦笑)

あくまでも傾向として、町・村を含む人口の少ない自治体は、先に挙げたようなケースに遭遇する確率が非常に高く、苦労してきた現実があるということです。

本来、行政はどこに住んでいても、どこで事業をするにしても、公平であるべきです。それが、行政担当者の未熟さが原因で、不当に国民の権利利益が害されることだけは絶対にあってはならないと考えています。それを是正するのも、我々専門家の使命だと思っています。

おそらく幼保分野に限らず、あまり行政書士が参入していない分野の業務は、どれも同じことが言えると思います。こういう時こそ、行政書士試験で学んだ行政法の知識を大いに活かせるので、若手こそ未開拓分野に取り組んでいただきたいものだと思っています。

また、現在の受験生も、行政法なんて実務で役に立つのかなと思っているかもしれませんが、11年間ずっと駆使し続けている私が言うので、特定分野では役に立つと保証します!本試験まで残り2ヶ月、夢を抱きつつ頑張ってください!

特定行政書士 寺島朋弥

2025年9月11日

夏休み明け

ようやく子どもたちの夏休みが明け、同じく小学生の子を持つ補助者さんと「夏休みお疲れ様」を言い合いました。

子どもにとっては楽しいだけの夏休みも、保護者にとってはホントに大変な一月半。自分が子どもの頃には思いもよらないことでした。

特に1年生なんて、宿題は親なしでは基本できないので、親が宿題させられてる気分だったり。(苦笑)

しかし、一番下の子が大きくなるにつれて、どんどん手がかからなくなり、いずれは夏休みだからって気合いを入れることもなくなるんだろうな…。

まだまだ小さい我が子の今を、大切にしていきたいものです。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年9月1日