学校法人不正問題と小規模幼稚園|私学法

特定行政書士|寺島朋弥

tel 03-5948-4231

電話受付:月〜土9:00〜18:00

お問い合わせフォーム

寺島行政書士事務所ブログ

寺島行政書士事務所ブログ

学校法人不正問題と小規模幼稚園

連日報道されている東京女子医科大学の不正問題には唖然とするばかりです。

いよいよ今年の4月から改正私立学校法が施行されますが、これはそもそもここ6~7年の間に相次いで発覚した私立大学の不正問題に対処するため、学校法人全体を厳しく監督するために制定された改正法です。

関連する者として一番迷惑を被っているのは、幼稚園1園のみを経営する真面目で小規模な学校法人だと思います。

昨年は改正私学法対応で多くの幼稚園と関わってきましたが、多くは少子化の現実と向き合いながら細々と経営されていて、あり余ったお金で優雅に暮らしているような経営者なんて少なくとも私を頼ってくださった法人には存在しませんでした。

日々の事務仕事も、特に新制度に移行していたり認定こども園になっている園は非常に煩雑になっているのにも関わらず、ギリギリの人数で何とか対応されていて、特に難しい部分のみを会計士であったり私などに委託して何とか回しているところが多いのです。それが大きな規模の大学の相次ぐ不正事件の影響を受けて、学校法人全体のガバナンスが強化され、法人運営が益々煩雑で難しくなってしまった訳です。(法人の規模に応じてガバナンス強化の差違はあるものの、幼稚園単体の法人であっても旧法に比べたら格段に煩雑になっています。)

もっとも、幼稚園も多くが公費で運営されている事実はあるので、社会福祉法人のように監督を厳しくすべきだという意見も一理あるとは思いますが、歴史的にみると一概には言えないところがあります。多くの個人立幼稚園は、資産家などが私財を投げうって設立し、今があるという事実があり(それによらないケースも勿論多々あります)、そもそも行政による福祉が原点である保育所とは根本が違っていたりするのです。その意味でも、何でもかんでもがんじがらめにするのではなく、少なくとも建学の精神による自由は認めるべきだというのが私の考えでもあります。

私は学校法人の中では幼稚園や幼保連携型認定こども園の運営法人としかお付き合いがないため、どうしても幼稚園の観点で考えてしまうのですが、一部の大学のために事務が大変煩雑になってしまった今回の法改正に対しては、実は疑問に感じている部分もあったりします。まともに運営している小規模な幼稚園がこれ以上大変な状況にならないよう、大学等を経営されている学校法人もしっかりと運営していってもらいたいと思うものです。そして、私としても各園の負担にならないようにサポートする方法をいろいろ考えていきたいと思っている次第です。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年1月14日

学校法人制度改革に関するお問合せについて

現在、日本語学校を始めとする「各種学校」から、学校法人制度改革に関するお問合せを数多くいただいております。しかし、当事務所は小規模事務所のため、同時に受任できる件数は僅かしかありません。

当分の間、学校法人制度改革(改正私学法対応)に関するご相談は、幼稚園・認定こども園の学校法人に限らせていただいておりますので、何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

同業者様へ

各種学校の今次制度改革に十分対応可能な同業者様がいらっしゃいましたら、お繋ぎしますのでお声がけいただけますと幸いです。

2024年5月22日