書類作成と手続き代行
行政書士の仕事は、「書士」という名称からも書類作成というイメージが先行しているかと思いますが、実は許認可等の行政手続きにおいては、事前の相談から書類の提出、補正対応といった行政との交渉部分のほうが重要なケースがほとんどです。
行政機関のホームページからダウンロードした書式に、文字を入れて完成するだけのことであれば、わざわざ何万円~何百万円ものお金を使って専門家に依頼する意味はないと思います。多くは、何らかの過程で行政との交渉を要するからこそ、間違いなく手続きしてもらうために依頼されるのだと思います。
もちろん、それが補足説明書やら理由書といった、様式外の書類である場合も多いと思いますが、通常はその前に、時には駆け引きを使って口頭でやり取りをするものです。その際、少しでも行政と見解がずれている場合は、行政手続法はもちろんのこと、行政不服審査法や行政事件訴訟法といった行政書士試験の中心科目の法令知識を駆使して、様々な形で事案の見通しを予測しながら駆け引きをしていくこともあります。
このことから、書士とはいっても代書をしているだけではなく、むしろその他の口頭業務の部分のほうが重要な仕事であったりするものなのです。よって、「書類作成のみでいいから値引きして」といった要望ももしかしたら通じるかもしれませんが、お客様にとっては数万円の値引きでもしかしたら(口頭業務で行政書士を活用できず)大損しているかもしれないということです。
ちなみに似たような名前の専門家である「司法書士」の場合も同様です。彼ら彼女らは、通常の登記手続きであっても単に書類を作成しているだけではなく、その後の許認可や融資の時期を守るために審査期間やら、登記の文言のことでも粘り強く交渉してくれたりといった姿を何度も見てきました。
専門家は依頼者の権利を実現するため、前面に出て全力でやり取りするのが仕事なので、ぜひ書類作成以外の部分もまとめて任せていただけましたら幸いです。
特定行政書士 寺島朋弥
2025年3月17日
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