無資格コンサルタント
医療・福祉分野のような公共政策と密接な業界の周辺には、弁護士や行政書士といった国家資格を持たずに活動するいわゆる無資格コンサルタントが数多く存在します。
純粋なアドバイスだけであれば問題ないのですが、有償(無料を謳っても事実上コンサル料の中に含まれていたら×)で書類作成を行うことは行政書士法違反で、お客様の代わりに行政機関と折衝することは弁護士法違反に当たる可能性が高いです。
とはいえこういった公共政策に近い案件は、個人事務所では処理できないことが多く、実際取り扱っている専門家が非常に少ないため、そういったコンサルタント会社に助けられているお客様が数多くいるのも事実です。なので、全てを排除すべきだなどとは思いませんが、年に数件は、制度を理解せずに業務を進めてしまい、手に負えない状況になってから解約されてうちに依頼がくるケースがあり、非常に憤りを感じることがあります。
業務としては法人設立や施設建設が関係する大型案件から、処遇改善等加算や各種変更申請(今年でしたら学校法人の寄附行為変更認可申請がとても多いです!)といった、年間通して発生する業務についての相談も結構あります。
お客様はそれで行政に目をつけられる上に、無駄な支出をしている訳ですからとんでもない話です。それにHPなどでは「書類作成”サポート”」と書かれていても、そういったいわゆるリカバリー案件では、コンサルタント会社の名称や「納品物」は私に提供されますからね…。
ちなみに医療分野は、東京都行政書士会の中に専門部門ができ、今年は日本行政書士会連合会の監察活動でも重点項目になったようで、ある程度牽制はきくのかなと思いますが、児童福祉や幼児教育分野は全くといっていいほどそういった動きはありませんので、ますます危惧しているところです。
保育業界、幼稚園業界をはじめ、私は手助けできませんが障害福祉や介護業界の皆様も、くれぐれもお気をつけください。
なお、違法行為はせずに、まともに活動されているコンサルタント会社ももちろん存在しますことを申し添えておきます。
特定行政書士 寺島朋弥
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