医師法とエピペン

特定行政書士|寺島朋弥

tel 03-5948-4231

電話受付:月〜土9:00〜18:00

お問い合わせフォーム
寺島行政書士事務所ブログ
寺島行政書士事務所ブログ

医師法とエピペン

先日保育事業の経営者さんと話をする中で「エピペンは明らかに注射なのに何故許されるのだろう」という話題になりました。

保育園の職員は、研修などでエピペンの使い方を知っているのは普通です。厚労省が出しているアレルギー対応ガイドラインにも出てきますし、救命講習やアレルギー関係の研修会でも出てくるくらいなので、保育園の職員が扱うこと自体は法的に問題はないことは明らかかと思います。

しかし、経営者として、ある行為が法令に違反しないのかと気にする姿勢はとても大事なことだと思います。

エピペンは注射なので、医療行為であることは明白かと思います。しかし、医師法で禁止されているのは、「医業」であり、「業」というのは基本的に反復継続する意思をもって行うことを言いますので、現にアナフィラキシーショックを起こしている園児に対してエピペン注射を行うというのは特異なケースであり、反復継続する意思をもって行う人などいないでしょう。よって、医師法の観点ではクリアになると考えられます。

また、人に針を刺す行為は、医療行為と言えない場合は傷害に当たり得ますが、エピペンは医師と薬剤師の判断の元で処方された処方薬であり、どの園でも対象児ごとに管理されているはずです。その点でも、(1回きりの)医療行為であり、傷害には当たり得ないことは明白かと思います。

さらに言えば、法学的に緊急避難という考え方があり、目の前でアナフィラキシーショックが起きていて、一歩遅れると死んでしまうような緊急時に、医師法違反だの不法行為だのと言ってる場合じゃないでしょということです。(緊急避難の詳細はとても細かいのでここでは割愛します。)

しかし、先ほども述べましたが、経営者として職員さんの行動が合法なのかどうか、そしてその根拠を自然と考えることができることは素晴らしいマインドだなと思いました。こういう経営者さんが増えると、コンプライアンス的にも素敵な園が増えるだろうなと思います。

私としても、普段からそういったことを意識してもらえるように経営者さんと接していきたいものです。

特定行政書士 寺島朋弥

タグ: タグ:アナフィラキシー | タグ:アレルギー | タグ:エピペン | 2024年7月6日

コメント

コメントはありません

※申し訳ございません、現在コメントフォームは閉鎖しております。