理想(建前)と現実|幼稚園

特定行政書士|寺島朋弥

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寺島行政書士事務所ブログ

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理想(建前)と現実

福祉や教育といった、公共政策に近い業界の法律を扱う業務を遂行する上で、常に意識しなければならないのが理想(建前)と現実のバランスです。

現在は令和7年度施行の改正私立学校法への対応準備で、お客様や事務所スタッフ、関係する専門家と毎日のように意見交換する機会が多く、そのことを特に感じる日々です。

役員を選任したり、監督したり、解任したりといったガバナンス部分はもちろんのこと、日々の運営においても、外部業者と契約(工事に限らず物品購入であっても)するときは入札が必要な場合もあり、基準を定めるときはそのバランス感覚が求められるのです。

こういった公共色が強い業界の収益源は、多くが公金です。理事会等でこの辺りの話が出る際には、監事さんが専門家の場合、憲法論(89条公の支配論)で議論になることが多いですが、多くの公金が使われている以上、公の支配(言ってみれば市民による監視)に属する必要があるという理屈は正当と言える訳です。

しかし、法律で掲げられた理想(建前)と、現場での現実は、必ずしも一致せず、法律により委ねられた自治権(定款や寄附行為で決められる裁量のある部分)を最大限に活用し、調整を図る必要があります。

ところが、規程整備の際、行政機関や社会福祉協議会が出しているようなモデル規程(定款や寄附行為含む。)をそのまま踏襲すると、理想に偏り過ぎるガバナンス体制が構築されてしまう危険?があります。つまり、現実を把握した上で、法の範囲で絶妙なバランスが取れる体制を構築する必要があるのです。

その意味では、私が今年度時々書いている改正私学法に関するブログ記事も、正直理想論に偏っています。理由は、現実は現場(お客様)によって違うため、一概には言えないことと、専門家という立場上、理想からあえて離れるようなことを公の場で発言する訳にもいかないためです。

当然、お客様からの依頼に基づき、業務として進める際は、ブログでは書いていないようなことを沢山提案することになりますが、そここそがお客様が一番求めている部分かと思っています。

今、全国の学校法人がおかれている状況は、非常に面倒くさいと思われるかもしれませんが、理想と現実のバランスを整えるチャンスだと捉えるのがよろしいかと思います。この夏から冬にかけて、手続きが本当に大変だと思います。私が直接お手伝いできるのは、幼稚園か認定こども園の学校法人に限らせていただいておりますが、私立学校法という、根拠法が同じである全ての学校法人の実務を行う人たちを同志だと思って心から応援しています。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年8月3日

【改正私学法】特別利害関係者とは

来年4月施行の改正私学法では、役員等(理事・監事・評議員)の要件が細かく定められ、小規模の幼稚園が今回の制度改革によって一番お困りなのが親族等の「特別利害関係者」ではないでしょうか。

法律(改正私立学校法31条6項)で明記されているのは「配偶者」と「三親等以内の親族」と「その他省令で定めるもの」とありますが、現時点では本改正に係る省令がまだ公布されていませんが、パブリックコメント(意見公募)の案の時点では、以下が特別利害関係者にあたるとされていました。

  1. 事実婚である者
  2. 使用人である者(要するに役員等から雇われている者)
  3. 役員等から金銭を得て生計を維持している者
  4. 2と3の配偶者
  5. 1から3の三親等内の親族かつ同一生計者

個人的にはそれぞれ自活している同性パートナーはどうなるのだろうとか、いろいろ気になってしまいますが、本題から逸れるのでそれはまた別の機会に。(細かい突っ込みどころを議論したい専門家の先生大歓迎です!)

さて、元々親族経営が多い幼稚園の業界では、結構厳しく思われる条件ではないでしょうか。しかも、理事だけで考えても、最低の5人の場合はこういった関係者が他に1人もいてはいけません。(理事総数が6人の場合は本人と合わせて2人まで可:1/3ルール)

しかし、私学助成や施設型給付費の原資は公金(税金)であり、幼稚園であっても認定こども園であっても、運営費の多くを公金に頼ることになる以上、ガバナンスを強化することは必要なことと考えます。

正直なところ、社会福祉法人も7年前の制度改革の時はどうなることかと心配しましたが、何だかんだ言って経過措置の間にしっかりと対応し、遵法意識が高くなった法人が多いです。(今でも一部残念な事件はありますが…)しかし、私の周りでは、遵法意識が高い法人が運営する園ほど、定員充足率が高く、経営的にも潤っているところが多いのが事実です。

ぜひ、この制度改革を機に、より多くの学校法人幼稚園(認定こども園)がガバナンス強化に本気で取り組み、地域の子どもたちの利益になる園が日本中に増えることを願っています。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年6月5日

業歴10年

行政書士歴満10年になりました。本日から11年目に入った訳です。

2014年の開業当初は、子ども・子育て支援新制度の施行まで1年を切っている時期で、各地で同制度周知のシンポジウムや勉強会が開催されており、私も様々な会合に参加していました。

その頃は残念なことに当時の新法・子ども・子育て支援法や認可の根拠である改正児童福祉法絡みの行政手続きを率先して取り扱うべき先輩行政書士の姿はお見受けすることができず、孤独な中、必死になって勉強していました。先輩行政書士にこの業務について相談しても、「保育分野は難易度が高いので個人事務所では無理だよ」と言われたものです。しかし、私は諦められず、絶対形にするという思いで勉強を続けて、幸いなことに1年目のうちに新制度の認可案件に恵まれることができました。当時のお客様とは今でもお付き合いがありますが、本当に感謝しています。

あれから10年が経ち、行政書士の中にもこの分野を取り扱う人が徐々に増えてまいりました。しかし、保育所や幼稚園の新設に伴う認可業務は、少子化が止まらない限りなくなっていくことは避けられません。したがって、今後は既存の施設が適法に運営しながら、保育方針・建学の精神の理念を実現できるように背後から経営陣を支えることが重要になってくると思っています。

今後ももちろん認可案件(各種変更や認定こども園化も含む)も積極的に取り扱ってまいりますが、社会福祉法人や学校法人のガバナンス支援に特に力を入れてまいる所存です。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年5月1日