職員のオブザーバー参加

特定行政書士|寺島朋弥

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職員のオブザーバー参加

私はお客様に、予算理事会、決算理事会、定時評議員会(以下「役員会等」)にリーダークラスの現場の職員(保育士・看護師・栄養士)さんにオブザーバーとして参加してもらうことを提案することがあります。

もちろん、事前に全ての構成員の承諾が前提にはなりますが、よほどのことがない限り雇用している職員のオブザーバー参加を拒否することはあり得ないと思っています。また、提案する以上、責任があるので私もアドバイザーとして参加することは当然ですが…。

役員会等に一般の職員が参加することによるメリットはたくさんあります。

一つは緊張感というか空気感が全然違います。役員会等は、結構既定路線で事前に根回し済みのことを現場で形式的に議長が台本を読んでみんなで拍手するだけ(いわゆるシャンシャン総会)になりがちですが、一般労働者である職員が会場で傍聴しているだけで不思議とそういった雰囲気はなくなり、質疑応答もそれなりに出てきたりするものです。

二つ目は現場に直接関係する内容で議論になった場合、現場の声をその場で拾えること。例えば保育事故に関する質疑応答になった場合、当然園長先生は把握していますが、その日に直接ケアをして報告書を作成した看護師さんが会場にいる場合、その看護師さんから話をしてもらったほうが確実で、説得力もあったりするものです。

三つ目は、実は私が一番大事に思っていることで、職員さん自身の意識向上につながること。保育職員の多くは「純粋に保育が好き」」なのが当たり前であり、自ら園の経営に関わることを望む人は少なくて当然です。しかし、親族経営とかでなく、民主的に経営されている法人さんの場合、そのまま放置すると事業継承の観点で必ず困難が訪れます。理念をつなぐには内部のことを把握していることが望ましく、長年内部で保育を実践してきた職員さんほどの適任者はいないと思うのです。いきなり職員さんを役員にしてしまうと、手当が付けられなくなったり借上げ社宅の対象者から外れてしまったりと、いろいろ問題が出てきますが(個人的には一律に役員を補助の対象外にする今の制度のほうが問題だと思っていますが。)、役員会等へのオブザーバー参加であればそういった点を気にする必要もなく、経営の会議を間近で見ることができて本人の意識向上にもつながると思っています。

ちなみに私は職員さんがオブザーバー参加した場合、希望があれば会議終了後にフォローアップするようにしています。就業規則の改定などはもちろんのこと、お金のことも含めてできるだけかみ砕いで職員さんたちに説明し、法人の運営全体のことを把握してもらうようにしています。

これが実践できている園は、職員の定着率も高く、定員充足率も高く、自ずと財政も豊かになっていくことが多いものです。当然、担当役員や事務職員(もちろん支援する弊所も…)の労力は普通にやるよりも必要にはなり大変な面もありますが、中長期的に考えるとメリットのほうが大きいと思います。将来的に内部の職員さんを経営側に…と考えていらっしゃる法人さんには、いろいろお手伝いできることもあると思いますので是非ご相談ください。

特定行政書士 寺島朋弥

タグ: タグ:オブザーバー | タグ:学校法人 | タグ:理事会 | タグ:社会福祉法人 | タグ:評議員会 | 2025年4月30日

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