国際女性デー
行政書士は84%が男性です。一昔前は9割近かったと記憶しているので、女性の割合が急に増えているのは、業界全体の能力や視野が広がるという意味で喜ばしいことだと思います。
しかし、会務に熱心に取り組んでいるとかでない限り、士業は基本的には自分とお客様の世界なので、自分自信はあまり男性社会にいるような感覚はありません。むしろ私は保育系が専門ということもあり、お客様は女性が中心の業界で、顧問先の代表者も全員女性ということもあり、女性社会の中で仕事をしている感覚であったりします。
さて、ここまで何気なく書いて振り返ると、自分自信で2つのジェンダー・バイアスに気付きました。
一つは「保育系=女性」という部分で、私の知人にも素敵な男性保育士さんが何人もいらっしゃいますが、そういった事実を把握していても無意識にさらっと書いてしまうものです。昔ながらの「育児は女性がやるべき」というバイアスが、その事実を作り上げてしまったという一例だと思います。
もう一つは「女性がいると能力や視野が広がる」という部分で、これはいくつかの意味で言ったつもりですが、よく世間で言われる「女性はよく気が付いてきめ細やか」ということも含んでいました。確かに経験則から言ってそれは事実のような気がします。しかし、これも昔からの「女はこうあるべき」という「教育」がもたらした結果ではないでしょうか。逆に、私自身一昔前の人間なので「男はやんちゃなくらいがちょうどいい」などと言われて育ったものですが、子どもながらに「友達とは乱暴な言葉遣いで話さないと」というプレッシャーを感じることもありました。
その意味では、令和の現代はだいぶ良くなったと言えるでしょう。しかし、まだまだ自分を含めて、昭和の人間が大多数を占めているので、ジェンダー・バイアスというのはそうそうなくなるものではないと思います。
要するに何が言いたいのかというと、社会全体に散らばっているジェンダー・バイアスに一人ひとりが気付けるかということこそが大事だと思います。私もここ数年、放送大学でジェンダー(LGBTQ含む)に関する科目をいくつも受講し、当事者を含む数多くの人とディスカッションを繰り返す中で、徐々にそういったことに気付けるようになってきました。
今日は国際女性デー。つまりは世界中が女性に感謝するとともに、女性の権利擁護について考える日という認識でいますが、男女問わず問題点に気付く人が一人でも増えることが大事だと思います。
改善するのは簡単なことではないですが、気付かなければそもそも改善などできません。自分ももっと敏感になれるよう、まだまだこの分野も学び続けたいと思っています。
特定行政書士 寺島朋弥
2024年3月8日
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