業歴10年|社会福祉法人

特定行政書士|寺島朋弥

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寺島行政書士事務所ブログ

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業歴10年

行政書士歴満10年になりました。本日から11年目に入った訳です。

2014年の開業当初は、子ども・子育て支援新制度の施行まで1年を切っている時期で、各地で同制度周知のシンポジウムや勉強会が開催されており、私も様々な会合に参加していました。

その頃は残念なことに当時の新法・子ども・子育て支援法や認可の根拠である改正児童福祉法絡みの行政手続きを率先して取り扱うべき先輩行政書士の姿はお見受けすることができず、孤独な中、必死になって勉強していました。先輩行政書士にこの業務について相談しても、「保育分野は難易度が高いので個人事務所では無理だよ」と言われたものです。しかし、私は諦められず、絶対形にするという思いで勉強を続けて、幸いなことに1年目のうちに新制度の認可案件に恵まれることができました。当時のお客様とは今でもお付き合いがありますが、本当に感謝しています。

あれから10年が経ち、行政書士の中にもこの分野を取り扱う人が徐々に増えてまいりました。しかし、保育所や幼稚園の新設に伴う認可業務は、少子化が止まらない限りなくなっていくことは避けられません。したがって、今後は既存の施設が適法に運営しながら、保育方針・建学の精神の理念を実現できるように背後から経営陣を支えることが重要になってくると思っています。

今後ももちろん認可案件(各種変更や認定こども園化も含む)も積極的に取り扱ってまいりますが、社会福祉法人や学校法人のガバナンス支援に特に力を入れてまいる所存です。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年5月1日

【改正私学法】理事の選任方法

令和7年4月1日施行の改正私学法について、実務を進める中で思いついた時に気まぐれに書いてみようと思います。体系的に連載する予定はありませんのでご了承ください。

あくまでも私の見解ですが、幼稚園や認定こども園では評議員会を選任機関にしたらいいと思っています。他に考えられることとしては、理事選任・解任委員会のような機関を別に設置し、そこに委ねるといった方法もありますが、その機関を運営するための規則が必要になったり、委員の管理や会議を開催するための手続きが増えることになります。(ここではあえて書き(け)ませんが、そうすることによる経営陣にとってのメリットもデメリットも当然あります。)

しかし、どうしても小規模法人である幼稚園や認定こども園の場合、いろいろ小細工をして手続きを複雑化するよりも、ストレートに評議員会に委ねるのがいいと思うのです。他の機関を置いた場合でも、結局のところ評議員会の関与(諮問)は必要ですので、それならば建学の精神に共感してくれる信頼できる評議員を集めて、その方たちに委ねるという形が健全ではないでしょうか。

ちなみに私は保育所や認定こども園を運営する社会福祉法人とのお付き合いが多く、2017年の制度改革の際にも関与していますが、社会福祉法人の場合は理事・監事の選任・解任権限は評議員会と法定されているため、動かしようがないのですが、少なくとも私が関与しているところは健全な運営ができているところばかりです。

中には評議員会で評議員が理事長を含む理事に対して意見・注文を付けるような場面もありますが、子どもたちの最善の利益を追究するという共通の目的がある限り、それは健全な議論であり、対立関係ではありません。これからの学校法人は、現在の社会福祉法人と同様に、理事が自分たちの教育・保育方針(もちろん収支も大事ですが…)について自信を持って評議員会に説明し、それを理解していただくことで身分を保証(理事に選任される・解任されない)してもらうという形を作っていくべきではないでしょうか。

最後はほとんど私の個人的な思いになってしまい恐縮ですが、各法人の寄附行為作成に向けての参考にしていただければ幸いです。

なお、類似の懸案事項として、評議員の選任・解任はどうするのかというのがあるかと思います。この点についても社会福祉法人制度も参考にはなりますが(とはいえあちらもこの点は定款自治の範囲)、学校法人ならではの設計ができると思っており、とても興味深く思っているところです。また気が向いたら事例や考え方をまとめて書いてみたいと思っています。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年4月24日

行政書士実務の例

行政書士と言うと、昔は代書屋さんと呼ばれていたことから、パソコンに向かってひたすら書類作成をしているイメージを持たれるかもしれませんが、多くの場合は書類作成をしている時間よりも、電話・外出(お客様・行政窓口)・調べものをしている時間のほうが圧倒的に長いのが実状かと思います。補助者さんがいる場合はなおさらそうだと思います。

新人だった頃は補助者がいなかったので、全ての仕事を一人でこなさなければならなかったですが、その状況では仕事の数もしれているので何とか回せたものです。しかし、認可保育所や社会福祉法人といった公益色の強い業務に深く携わるようになってからは、物量というより絶対にミスが許されないプレッシャーから、補助者さんの作成した書類を最終チェックという流れのほうが安心して仕事を進めることができることに気付きました。

物量と言えば、社会福祉法人設立認可申請や児童福祉施設設置認可申請につながる申請業務は、1件あたり数百枚の申請書類になることも珍しくなく、おまけにどういう訳か50mmパイプファイルぎっしりの副本を9部とか17部(これまでの最高)とか作ることを求められたりするので、物理的に一人でやる仕事量ではないことも確かではあります。しかも、そういうのに限って提出は窓口持参限定だったりするので、車で段ボール2箱分運んだり…。(苦笑)

もちろん、専門は人によって違うので、一人で十分に稼ぎながらやっていける分野もあろうかと思います。しかし、うちのように公益系の業務が中心の場合、補助者さんの力量に依るところがとても大きいのが実状だったりします。

法人業務は既に繁忙期入りしており、6月末まで多忙な日々が続きますが、自分だけでなく補助者さんの健康も考慮しながら丁寧に進めていきたいと思っています。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年4月19日

事業報告書

現在、うちの事務所で一番大変な作業は、お客様の事業計画書の原案作成。

年明けから令和6年度の事業計画書の作成が始まり、3月の理事会で承認されたら休む間もなく令和5年度の事業報告書に取り掛かります。これは多くの法人で5月下旬に行われる監事監査会に間に合わせる必要があるため、意外と時間がありません。

顧問先であれば、本部拠点や大きな契約関係は把握しているので、まずはその辺りを概ね仕上げて、園特有の行事等についてお客様に下書きを書いていただくことになりますが、ベースとなるものがないとお客様もどこから手を付けたらいいか分からないため、とにかく毎年4月の2週で原案を作ってしまうのです。

また、私が普段から保育のことを勉強している理由の一つはこういった事業計画書・事業報告書の作成に役立つからというのもある訳で、個人的にも楽しい業務でもあります。

ちなみにこれらの業務は、予算・決算と連動するので、会計事務所との連携も欠かせません。そして、6月のスケジュール(評議員会の日程や理事長改選の有無等)によっては、司法書士さんにも事前に根回しが必要だったり、幅広い視野をもってコーディネートしていく必要があります。これらは許認可業務で行政書士に一番求められている部分でもあり、得意でなければならないスキルなので、大いに励んでまいります。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年4月3日