役員改選祭り|学校法人

特定行政書士|寺島朋弥

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寺島行政書士事務所ブログ

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役員改選祭り

今年は比較的歴史の長い社会福祉法人の多くが役員等の一斉改選の年にあたります。

その理由は、多くの法人がモデル規程等にならって役員(理事・監事)の任期を2年、評議員と評議員選任・解任委員の任期を4年としているため、4年に1回全ての役員等が一斉に任期を迎えることになっていて、現行制度が施行された2017年から8年となる今年は2回目のその年にあたる訳です。(ちなみに評議員の任期は最長6年にすることができるため、当初からそのようにしていた法人は、今年は一斉改選にはなりません。)

4年に1度の一大イベントのため、事務方も細かいことを覚えていないですし、そもそも同じ担当者が残っているとは限りません。よって、所轄庁も気をつかって3月頃から入念にこの手続きについて周知していたりします。

そして、コンサルタントの営業もたくさん来ていると思います…。本来は我々行政書士がもっと頑張るべき分野なのですが、残念ながら社会福祉法に詳しい行政書士は希少でして…。むしろ理事長登記が絡むことから、司法書士さんのほうが詳しかったりするくらいです。

ちなみに弊所は、幸運なことに2017年以降に設立された(設立認可申請を代理した)法人さんとのお付き合いが多いことから、毎年のように改選手続きが起こっており、手慣れていることから全く慌てることはありません。(笑)ところが、弊所だけでお手伝いできる数には限りがありまして、議事進行サポートといった立会いを要する業務は現在上限まで達している(6月の予定がギッシリ)状況です。

従いまして、新規のご依頼にはなかなか対応できないのですが、書類作成のみであったり、他の事務所との協業であればもう少し対応できる場合もありますので、事務担当者がゼロから勉強しないといけないといった緊急のケースの場合はご遠慮なくお問い合わせください。(それでも誠に申し訳ございませんが、保育所・認定こども園を経営している法人に限らせていただきます。)

ちなみに、学校法人も今月から新法が施行され、多くの法人さんで、新寄附行為による初めての役員改選が発生すると思われます。昨年度寄附行為変更認可申請をご依頼いただいたお客様が優先にはなりますが、どうしてもお困りの場合は、上記同様の対応をさせていただきますので、ご遠慮なくお問い合わせください。

認定こども園・保育園・幼稚園の事務方さん、一斉改選祭りを共に乗り切りましょう!

特定行政書士 寺島朋弥

2025年4月19日

【改正私学法】年度末評議員会・理事会について

学校法人はそろそろ来年度の事業計画・予算の承認に向けて、年度末の評議員会や理事会の準備を始める頃と思います。特に今回は、改正私学法による新寄附行為が施行される直前の評議員会・理事会ということで、注意すべきことがあり、入念に準備をしないといけません。

予算を含む、法改正(学校法人会計基準含む)に伴う会計・経理に関する部分は、顧問の会計事務所さんが相談に乗ってくれると思いますが、ガバナンスに関する部分は法人自身で意識しないといけないこともあるため注意が必要です。今回はこの度の寄附行為変更に伴い、注意すべき2点について記しておきます。

評議員報酬の基準策定

今回の改正私学法では評議員の報酬基準を策定することが義務付けられています。昨年お問い合わせのあったお客様は、令和元年の私学法改正対応で、役員(理事・監事)の報酬基準を策定する際に評議員もまとめて入れておいたため、今回は対応不要といったケースが多かったのですが、中には役員のことしか触れられておらず、評議員については無策定のところもありました。その場合は必ず今年4月1日までに「評議員の報酬基準」を策定・施行しなければならず、そのためには今回の評議員会・理事会の議案にする必要があります。

実務としては、役員報酬規程は既にあるはずですので、タイトルを「役員・評議員報酬規程」など評議員を含む形に変更した上で、内部に評議員に関する規定を盛り込むことになろうかと思います。(評議員は役員ではないため区別されます。)

評議員選任・解任方法に関する細則

各都道府県の寄附行為作成例を見てみると、評議員の選任や解任方法についておおざっぱに定めた上で必要な事項は「評議員選任・解任規程において定める」と規定されているものが見受けられます。こういった規程を委任規程というのですが、寄附行為から具体的な名称を定められている以上、その通りの名称の規程を準備する必要があります。当然、名称だけでなく、具体的な選任方法、解任方法を条文形式で作成していく必要があり、これは私立学校法ではなく、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律を熟知していないと有効な形で作成するのはなかなか困難だと思うので、都道府県がモデル規程を用意してくれないようであれば我々専門家に依頼するのが確実かと思います。(今からの依頼で間に合うかは別問題ですが…)

まずは新しい寄附行為の33条前後にある評議員選任に関する規定をよく見直し、別の規程に委任されていないかを確認し、委任されている場合は必ず4月1日までに「評議員選任・解任規程」を施行しなければならないため、今回の評議員会・理事会の議案にする必要があります。

とりあえず今日の記事では上記の2点に触れましたが、この他にも評議員の損害賠償責任対応やら現行の役員等の構成によっては早速大きく動かないといけない場合もありますので、そろそろ具体的に検討していかないと時間的に厳しくなってくると思います。

寄附行為変更認可申請でご依頼をいただいていた法人様にはこの辺りも含めて対応させていただいておりますが、ご自身で手引き等を参照しながら対応された方は、案外広範囲に影響が及びますのでくれぐれもご注意ください。

特定行政書士 寺島朋弥

スポットのご依頼について

年度末の評議員会・理事会対応については、顧問契約をいただいている法人様で手一杯となっているため、スポットでの対応は難しい状況です。しかし、「評議員報酬は無償」とか「評議員選任・解任方法はできるだけ簡易迅速に対応できるようにしたい」といったご要望で、招集通知や議事録を含まない「議案として乗せるための案」を作成することは対応できる場合もあります。お困りの場合はご相談ください。

2025年2月18日

寄附行為変更認可後のこと

改正私学法施行に伴う寄附行為変更認可申請ですが、申請期限が早かった県から徐々に認可が出始めております。

しかし、認可が出たからといって安心できないのが今回の改正です。評議員の報酬に関する定めや、評議員の選任・解任方法に関する具体的な定めを寄附行為に入れていない場合、別に細則を用意する必要があったりするので要注意です。

これらの細則は、寄附行為からの委任規程という形であれば基本的に行政手続は発生しないので、理事会だけで制定できることが多いため、3月の事業計画・予算承認理事会に合わせて決議するのがいいでしょう。とはいえ、3月の理事会は現行(旧)寄附行為に基づく理事会であり、細則の施行は新寄附行為が発効する4月1日になるのが通常でしょうから、理事に異動がある場合等、気をつけないといけないポイントはいくつかあるので要注意です。

正直、3月は社会福祉法人の対応で手一杯なため、実務的なサポートは難しいと思いますが、オンライン相談(有料)といった対応は可能ですので、これらの手続きでお困りの学校法人(幼稚園・認定こども園に限る)さんはまずはご相談ください。

それにしても、準備期間(文科省サイト等での事前勉強)を含めると3年越しくらいの私立学校法改正でしたので、いよいよ施行かと感慨深いものがあります。法の趣旨が実現されるように、今後も学校法人さんのガバナンスを支援していけたらと思っているところです。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年1月22日

学校法人不正問題と小規模幼稚園

連日報道されている東京女子医科大学の不正問題には唖然とするばかりです。

いよいよ今年の4月から改正私立学校法が施行されますが、これはそもそもここ6~7年の間に相次いで発覚した私立大学の不正問題に対処するため、学校法人全体を厳しく監督するために制定された改正法です。

関連する者として一番迷惑を被っているのは、幼稚園1園のみを経営する真面目で小規模な学校法人だと思います。

昨年は改正私学法対応で多くの幼稚園と関わってきましたが、多くは少子化の現実と向き合いながら細々と経営されていて、あり余ったお金で優雅に暮らしているような経営者なんて少なくとも私を頼ってくださった法人には存在しませんでした。

日々の事務仕事も、特に新制度に移行していたり認定こども園になっている園は非常に煩雑になっているのにも関わらず、ギリギリの人数で何とか対応されていて、特に難しい部分のみを会計士であったり私などに委託して何とか回しているところが多いのです。それが大きな規模の大学の相次ぐ不正事件の影響を受けて、学校法人全体のガバナンスが強化され、法人運営が益々煩雑で難しくなってしまった訳です。(法人の規模に応じてガバナンス強化の差違はあるものの、幼稚園単体の法人であっても旧法に比べたら格段に煩雑になっています。)

もっとも、幼稚園も多くが公費で運営されている事実はあるので、社会福祉法人のように監督を厳しくすべきだという意見も一理あるとは思いますが、歴史的にみると一概には言えないところがあります。多くの個人立幼稚園は、資産家などが私財を投げうって設立し、今があるという事実があり(それによらないケースも勿論多々あります)、そもそも行政による福祉が原点である保育所とは根本が違っていたりするのです。その意味でも、何でもかんでもがんじがらめにするのではなく、少なくとも建学の精神による自由は認めるべきだというのが私の考えでもあります。

私は学校法人の中では幼稚園や幼保連携型認定こども園の運営法人としかお付き合いがないため、どうしても幼稚園の観点で考えてしまうのですが、一部の大学のために事務が大変煩雑になってしまった今回の法改正に対しては、実は疑問に感じている部分もあったりします。まともに運営している小規模な幼稚園がこれ以上大変な状況にならないよう、大学等を経営されている学校法人もしっかりと運営していってもらいたいと思うものです。そして、私としても各園の負担にならないようにサポートする方法をいろいろ考えていきたいと思っている次第です。

特定行政書士 寺島朋弥

2025年1月14日

幼稚園訪問

先日はスポットで寄附行為変更のご依頼を受けている学校法人さんの園にお邪魔しました。

幼稚園(本記事では幼稚園型や幼保連携型認定こども園含む。)と言えば広い園庭に大型遊具がたくさんあるところが多いですが、都会の幼稚園はなかなかそうはいきません。しかし、昨日訪問した園の園庭は、狭いながらもとても工夫されていて感動しました。さすがに遊具は置けないのですが、土と水による遊びの環境が整えられていて、都会の住宅地の中でも常に自然と触れ合える素敵な環境で、子どもたちが伸び伸びと遊んでいる姿が印象的でした。

私はここ数年間、趣味で大学の幼児教育分野の授業を履修(15単位程度ですが)してきたこともあり、お客様の園を訪問するとついつい学術的な視点で観察してしまう癖がついてしまっていて、園長先生とそういった観点でついつい話が盛り上がってしまうこともあります。行政書士の職能とは関係のないところではありますが、私もお客様と同じく、究極の目的は子どもたちの幸せですので、そういった部分でお話ができるのは嬉しいものです。ちなみに、保育園の場合は行政指導監査の視点で見てしまいがちで、これはもはや職業病だと思っています。(笑)

今年は私学法改正のおかげ?で、多くの学校法人さんとお付き合いすることができました。これまでは社会福祉法人の保育園のサポートが中心でしたが、今後は学校法人幼稚園とも積極的に関わっていけたらと思っています。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年12月19日

無資格コンサルタント

医療・福祉分野のような公共政策と密接な業界の周辺には、弁護士や行政書士といった国家資格を持たずに活動するいわゆる無資格コンサルタントが数多く存在します。

純粋なアドバイスだけであれば問題ないのですが、有償(無料を謳っても事実上コンサル料の中に含まれていたら×)で書類作成を行うことは行政書士法違反で、お客様の代わりに行政機関と折衝することは弁護士法違反に当たる可能性が高いです。

とはいえこういった公共政策に近い案件は、個人事務所では処理できないことが多く、実際取り扱っている専門家が非常に少ないため、そういったコンサルタント会社に助けられているお客様が数多くいるのも事実です。なので、全てを排除すべきだなどとは思いませんが、年に数件は、制度を理解せずに業務を進めてしまい、手に負えない状況になってから解約されてうちに依頼がくるケースがあり、非常に憤りを感じることがあります。

業務としては法人設立や施設建設が関係する大型案件から、処遇改善等加算や各種変更申請(今年でしたら学校法人の寄附行為変更認可申請がとても多いです!)といった、年間通して発生する業務についての相談も結構あります。

お客様はそれで行政に目をつけられる上に、無駄な支出をしている訳ですからとんでもない話です。それにHPなどでは「書類作成”サポート”」と書かれていても、そういったいわゆるリカバリー案件では、コンサルタント会社の名称や「納品物」は私に提供されますからね…。

ちなみに医療分野は、東京都行政書士会の中に専門部門ができ、今年は日本行政書士会連合会の監察活動でも重点項目になったようで、ある程度牽制はきくのかなと思いますが、児童福祉や幼児教育分野は全くといっていいほどそういった動きはありませんので、ますます危惧しているところです。

保育業界、幼稚園業界をはじめ、私は手助けできませんが障害福祉や介護業界の皆様も、くれぐれもお気をつけください。

なお、違法行為はせずに、まともに活動されているコンサルタント会社ももちろん存在しますことを申し添えておきます。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年11月14日

寄附行為変更について

大変ありがたいことに、現在、学校法人の寄附行為変更のお問い合わせを多数いただいております。当事務所は現在、令和7年4月1日開設案件が進行していることから、同時受任件数が限られております。よって、お問い合わせいただく際は以下の点について予めご了承いただけますようお願い申し上げます。

  1. 他の行政書士と共同で遂行する可能性があること
  2. オンライン面談以外の対面は難しい可能性が高いこと
  3. 幼稚園・認定こども園(いわゆる幼稚園法人)以外は受任不可であること

1については、共同する可能性がある行政書士は、幼児教育・保育に対して強い思いを持っている行政書士のみで、顔が見える関係ですのでご安心ください。

2については、東京23区や埼玉県南部といった近隣であればご訪問可能ですが、それ以外になるとなかなか難しい状況です。法改正対応のみの寄附行為変更認可申請であれば、基本的にオンラインと郵送のみで全て完結可能ですので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

3については、都道府県の窓口も幼稚園法人が分かれていることからも、いろいろ特殊な扱いです。私は幼稚園法人以外は全く知識がありませんので、ご理解いただければ幸いです。

2024年10月14日

寄附行為変更(相談)について

現在、多くの都道府県で寄附行為変更認可申請の手続きが進んでいるかと思います。

当事務所には都道府県の事前チェックの段階で「行政の言ってることが難しくて分からない」といったご相談をいただくことが多いです。

通常は行政との交渉込みの認可申請代理という丸投げプランでご案内しているところですが、できるだけ自分たちで進めたいという法人のために、事前チェックと相談のみのプランをご用意しました。

  • 寄附行為変更事前チェック(全体の条文チェックとリスク等の助言) 33,000円(税込)
  • 相談(電話1時間+電話内容に関するメール2往復) 16,500円(税込)

いずれも丸投げプランでご依頼いただいているお客様とのバランスの関係上、具体的な条文案を示す手前の段階までのアドバイスになり、行政との交渉などは含まれておりません。

ぜひお気軽にご相談ください。

※本サービスは幼稚園・認定こども園限定です。

2024年9月6日

【改正私学法】情報公表義務について

今回の法改正で、全ての学校法人が計算書類(決算書)等をインターネットで公表しないといけなくなると誤解されている方が案外いらっしゃるようです。

確かに新法151条には寄附行為や計算書類、財産目録等の公表義務の規定がありますが、これはあくまでも大臣所轄学校法人等(大臣所轄法人と一定規模以上の知事所轄法人=幼稚園単体の場合はまず該当しない)の義務であり、幼稚園単体のような知事所轄学校法人に対する義務ではありません。

そして新法137条のほうにも寄附行為や計算書類等のインターネット等での公表の規定があり、こちらは全ての学校法人が対象ですが、条文の結びが「公表するよう努めなければならない」となっており、これは努力義務と言い、公表の義務ではなく、公表する努力をすることが義務なのです。

※法律の建付上は、努力義務が原則で、大臣所轄学校法人等は特例で義務という形になっています。

細かいことのようですが、法律の世界、特に行政法界隈では、義務努力義務の違いは大きく、明確に区別されています。

ところが、文部科学省が出している寄附行為作成例では、知事所轄学校法人向けのものでもここに関する規定(作成例69条)が公表義務になっているのです。そして、各都道府県の作成例もそれに倣っているため、多くの人が法律の条文ではなく、寄附行為作成例を見て、義務化されたと勘違いされているようです。

問題はいくら法律で努力義務となっていても、寄附行為で義務と規定してしまうと、本当に義務になってしまう点です。この場合、公表しないと法律違反ではなくても、寄附行為違反となり、執行部の責任を問われたり、行政指導の対象になったりし得ます。

私は別に義務ではなく努力義務なのだから公表する必要なんかないと言いたい訳ではありません。私学助成といった補助金をベースに運営されている訳だから、むしろ公表するのが自然かと思っています。(実際、社会福祉法人はどんなに規模が小さい法人でも定款や計算書類等は丸見えですし!)

しかし、法律殊に行政法の実務家として、法律で義務化されていないことを、寄附行為でこっそりと義務化(一般の事務職員だけで対応している法人さんの多くは気づかないと思います。)させるような行政の動きに違和感を覚えてこの記事を書いた次第です。

実は今回の寄附行為変更(作成例)は、これだけに限らず、結構落とし穴があります。まだ時間はありますので、じっくりと見直されることをおすすめします。

また、有料とはなりますが、寄附行為変更案のチェックや相談だけでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。(今月は本件に関する業務が立て込んでおりますので、多少お待ちいただく場合がございます。)

特定行政書士 寺島朋弥

理想(建前)と現実

福祉や教育といった、公共政策に近い業界の法律を扱う業務を遂行する上で、常に意識しなければならないのが理想(建前)と現実のバランスです。

現在は令和7年度施行の改正私立学校法への対応準備で、お客様や事務所スタッフ、関係する専門家と毎日のように意見交換する機会が多く、そのことを特に感じる日々です。

役員を選任したり、監督したり、解任したりといったガバナンス部分はもちろんのこと、日々の運営においても、外部業者と契約(工事に限らず物品購入であっても)するときは入札が必要な場合もあり、基準を定めるときはそのバランス感覚が求められるのです。

こういった公共色が強い業界の収益源は、多くが公金です。理事会等でこの辺りの話が出る際には、監事さんが専門家の場合、憲法論(89条公の支配論)で議論になることが多いですが、多くの公金が使われている以上、公の支配(言ってみれば市民による監視)に属する必要があるという理屈は正当と言える訳です。

しかし、法律で掲げられた理想(建前)と、現場での現実は、必ずしも一致せず、法律により委ねられた自治権(定款や寄附行為で決められる裁量のある部分)を最大限に活用し、調整を図る必要があります。

ところが、規程整備の際、行政機関や社会福祉協議会が出しているようなモデル規程(定款や寄附行為含む。)をそのまま踏襲すると、理想に偏り過ぎるガバナンス体制が構築されてしまう危険?があります。つまり、現実を把握した上で、法の範囲で絶妙なバランスが取れる体制を構築する必要があるのです。

その意味では、私が今年度時々書いている改正私学法に関するブログ記事も、正直理想論に偏っています。理由は、現実は現場(お客様)によって違うため、一概には言えないことと、専門家という立場上、理想からあえて離れるようなことを公の場で発言する訳にもいかないためです。

当然、お客様からの依頼に基づき、業務として進める際は、ブログでは書いていないようなことを沢山提案することになりますが、そここそがお客様が一番求めている部分かと思っています。

今、全国の学校法人がおかれている状況は、非常に面倒くさいと思われるかもしれませんが、理想と現実のバランスを整えるチャンスだと捉えるのがよろしいかと思います。この夏から冬にかけて、手続きが本当に大変だと思います。私が直接お手伝いできるのは、幼稚園か認定こども園の学校法人に限らせていただいておりますが、私立学校法という、根拠法が同じである全ての学校法人の実務を行う人たちを同志だと思って心から応援しています。

特定行政書士 寺島朋弥

2024年8月3日